種牡馬になるまで

  • 2010/01/31(日) 21:23:22

日本では、国内で競走を引退した競走馬、競走に出場していないが血統などから期待されて種牡馬になるもの、海外から輸入されるもの、などの経緯により新しく種牡馬となる。繁殖に用いられる馬については血統管理が必要とされているため、野生馬を捕獲して種牡馬(繁殖牝馬も)にするというようなことはない。当然、生殖機能を有してなければならないため(人工授精は認められない)、生殖機能を失ったセン馬も種牡馬になる資格はない。生殖機能を有し、種牡馬になっても、何らかの事情によって生殖能力がないと判明する場合もある。

馬の品種によって登録を行う機関は異なるが、サラブレッドを含む軽種馬の場合は日本軽種馬登録協会が血統登録を行っており、新たにサラブレッドの種牡馬となるものは日本軽種馬登録協会で登録を受ける必要がある。

種牡馬の輸出入

  • 2009/12/06(日) 10:03:43

20世紀後半まで日本はもっぱら欧米から種牡馬を輸入する一方であった。また輸入した種牡馬の成績が悪かった場合に再輸出されることなく日本で死亡もしくは廃用による屠殺処分とされることが多かったため、種牡馬の墓場と内省的に揶揄されていた。理由としては、国の外貨貯蓄の政策の為に海外に渡航できる人間が限られていたため、20世紀後半まで輸入された種牡馬の多くが、専門のブリーダーが見立てて連れて来た種牡馬ではなく商社マンによる輸入代行によるものであったことが挙げられる。当然の事ながら、素人が海千山千の海外の馬主の宣伝を鵜呑みにして連れて来た馬である為、馬産地での評価も低く、ブリーダーにしても他にいないから仕方なく使っているというのが実情であった。また日本の土壌として、競走馬生産をブラッドスポーツとしてではなく、専ら畜産の延長線と考える傾向が一般的であり、競走馬育成の基本である「より良い血統を見極めて、新しい血統を創設する」という概念が一部のブリーダー(北野豊吉、吉田善哉、和田共弘ら)を除き、全く欠如していた事も原因である。その為、新しい輸入種牡馬を試しては廃用するという時代が続いていた。当然の事ながら、国内生産の馬で種牡馬として活躍できた馬は五指にも入らない。

しかし20世紀末以降、社台グループの躍進と、世界的なノーザンダンサー系種牡馬のダブつき、競馬開催国の増加が追い風となって、日本調教馬もしくは生産馬が種牡馬が輸出・再輸出されるケースや、シャトル種牡馬として一定期間リースされるケースが増加傾向にある。特に多いのは韓国への輸出、およびオセアニアへのリースである。一方輸入に関してはバブル景気が終焉して以降は減少傾向にある。これはバブル期の一部馬主が行った金に物を言わせた一流馬の買付けが、アメリカやヨーロッパで顰蹙を買ったり、出走資格の変遷により無理をして種牡馬を輸入しなくても良い状況になった事、そしてなにより日本の競馬への適性も考えられるようになってきているためでもある。これは欧米で活躍した競走馬並びに種牡馬でも日本では結果が残せるとはいいがたく、実際欧州でリーディングサイヤーを獲得したサドラーズウェルズの産駒が日本ではほとんど活躍しないなどの例がある。

なお、ファーディナンドが日本で屠殺されて以降、アメリカ合衆国から日本へ輸入された種牡馬が供用中止となった後、アメリカの功労馬繋養施設オールドフレンズへ引き取られるケースが増加している。

種牡馬(しゅぼば)

  • 2009/11/05(木) 06:52:55

種牡馬(しゅぼば)とは繁殖用の牡馬のこと。種馬(たねうま)とも言う。

牛、豚、羊などの畜産では優秀な種牡の精子を採出して凍結保存することが許されているが、競走馬に代表される馬産は一般的に人工授精や凍結精子の利用などによる人工的な妊娠手段を拒んでいる。凍結した精子は保存や運搬、売買が容易であるが、馬産においては常に生きた種牡馬が生きた繁殖牝馬(種牝馬)に直接交配をする必要がある。

したがって、優秀な種牡馬があっても繁殖牝馬にとって移動不可能な地域にいては交配ができないし、またいずれは寿命で死んでしまうため、生産界は常に新しい優秀な種牡馬を創出し発見する必要がある。また、競走馬の場合、交配が行われてから、子供が誕生して競走年齢に達して一定の成績が判定できるまでに4年から5年ほどの時間を要する事から、新しく種牡馬になったものが優秀であるかそうでないか判明するまでにタイムラグが生じる。

これらの事情により、種牡馬の市場は他の畜産市場よりも流動的である。

この項では主に競走用の種牡馬について説明する。乗用や食肉用の種牡馬では異なる点もある。